研究課題
若手研究
本研究課題において加齢によるつまずき増加の要因と考えられている、遊脚中期における足先高さのばらつきの増加の要因が明らかになった。股関節に対する足先高さのばらつきを抑える関節間の相補的連携(関節間シナジー)は若年者群高齢者群に有意な差はなかったのにもかかわらず、床に対する足先高さのばらつきは高齢者の方が有意に大きくなっていた。したがって、加齢によるつまずき増加の要因は関節間シナジーの衰えではなく、体幹部の安定性の低下にあることを示唆した。
バイオメカニクス
学術的意義については歩行において股関節に対する足先高さのばらつきを抑えることは重要なポイントであることが加齢によっても衰えないことから示唆される。また社会的意義としては、加齢によってつまずきが増えるので足先高さの制御が衰えていると思われていたが、股関節に対する足先高さのばらつきを抑える制御については加齢によって衰えていないことが明らかになった。したがって、転倒予防トレーニングについては下肢よりも体幹部の安定性を高めるトレーニングを行うことがより効果をもたらす可能性がある。