小脳は学習を行うことで内部モデルを構築し、日常の運動をスムーズに行うことを実現していると考えられている。その内部モデルを長期記憶として形成することによって、より安定的な運動を実現していることを示唆した。具体的に、本研究で、(1)プリズム適応課題を応用したヒトの行動実験を行い、時間経過に伴って既に学習した内部モデルが学習前の内部モデルの状態に戻ることはなく、学習した内部モデル情報を維持していたことを発見した。 (2)理論的枠組みを構築し、小脳の内部モデル機能を明らかにした。(3)この理論的知見に基づいたクリニカルインデックスを開発し、脊髄小脳変性症患者の小脳の運動学習機能について計測した。
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