本研究の目的は,柔道の大外刈りにおける体重差が投げられる人の頭部に生じる角加速度を明らかにし,頭部外傷リスクを検証することである. 被験者は,男子大学柔道選手12名とした.被験者を投げる人は男子大学柔道選手重量級1名とした.実験は,体重差による大外刈りで投げられた際の頭部角速度を測定した.その結果,頭部最大角加速度について,重量級が中量級を投げた値は,重量級が重量級を投げた値よりも有意に高く,重量級が軽量級を投げた値よりも有意に高い傾向になることが明らかとなった.したがって,投げる人と投げられる人の体重差が大きくなればなるほど頭部外傷のリスクが高くなるとは限らないことが示唆された.
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