本研究の学術的意義として、大学生アスリートにおける反すう特性・省察特性と精神的健康の関連のメカニズムについて、これまで検討されてこなかった対人関係に着目して検討したことが挙げられる。本研究の結果から、反すう特性と省察特性がストレス反応に与える影響は指導者からの拒絶感が媒介しており、また省察特性が主観的幸福感に与える影響は指導者からの受容感が媒介していたことが示された。以上から、反すう特性が高いアスリートおよび省察特性が低いアスリートは精神的健康の問題を抱えやすく、彼ら彼女らの精神的健康を向上させるうえでチームビルディングといった対人関係に直接介入する方法も有効である可能性が示唆された。
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