研究課題/領域番号 |
19K20022
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研究機関 | 金沢星稜大学 |
研究代表者 |
門岡 晋 金沢星稜大学, 人間科学部, 講師 (10712193)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | コルチゾール / DHEA / バーンアウト / アスリート / ストレス / リカバリー / 精神神経内分泌免疫学 |
研究実績の概要 |
本年度は、新型コロナウィルスの影響もあり新たなデータを取得することができなかった。代替えして、本研究に関連する文献の収集・整理、既存データの分析と論文執筆をおこなった。 これまでの研究で取得したデータについて分析を行った結果、本研究課題を遂行する上で有益となる知見を得ることができた。起床時コルチゾール反応(Cortisol Awakening Response: CAR)には、総分泌量を反映するthe Area Under the Curve with respect to Ground(AUCg)と、増加量を反映するthe Area Under the Curve with respect to Ground(AUCi)の2つ指標がある。質問紙評価で得たバーンアウト得点をもとに、高得点群と低得点群に分けた上でAUCg, AUCi(nmol/l)の比較を行った。その結果、AUCgのみ高得点群と低得点群で有意な差が認められ、高得点でより高いAUCgの値が認められた。このことから、総分泌量の指標となるAUCgはバーンアウト傾向を反映する指標となり得ることが示唆された。これらの成果は、現在国内誌に論文を投稿中である。 CARを指標にしたバーンアウト評価の検討は、効果量が不十分であること、また、交絡要因の影響などが課題となっている。本研究課題では起床時DHEA反応(DHEA Awakening Response: DAR)を新たに加えることを計画している。 今後は、CARとの比率を指標(CAR/DAR)にした検討を更に進めていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年度は、新型コロナウィルスの影響があり新たにデータを収集することができなかった。唾液検体を扱うこと、宿泊を伴うプロトコルであることが新型コロナウィルス感染情勢下での研究実施を困難にしていた。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、既に感染対策のガイドラインを作成して研究対象となるフィールド(チーム)に研究協力の承諾を得ている。当初は、コンプライアンスの問題を考慮して、「宿泊あり」の実験プロトコルにしていたが、データを収集することを優先して宿泊無し(自宅での唾液採取)のプロトコルで実施することにした。これまでも、唾液中ストレスホルモンの起床時反応を指標にした研究では、コンプライアンスに配慮しながら自宅での測定が実施されている実績がある。本研究でも、そうした研究を参考にしてデータを収集する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は、新型コロナウィルスの影響があり新たにデータを収集することができなかった。したがって、主に唾液検体の収集や解析に使用する物品費(消耗品)や謝金費用(研究協力者対象)の執行をすることができなかった。 2022年度に向けては、実験プロトコルを新型コロナウィルス感染の情勢にあわせて修正した。さらに、感染対策のガイドラインを作成して研究対象となるフィールド(チーム)に研究協力の承諾を得ている。唾液検体の収集・解析に必要な物品(消耗品)、謝金(研究協力者対象)、成果公表(旅費)について積極的に執行を行っていきたい。
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