肥満患者は脂肪量や骨格筋量が多いが、サルコペニアに比べて体重あたりの骨格筋量が少ない。骨格筋量を負に制御するマイオスタチンは体重あたりの骨格筋量によって調整され、脂肪組織から主に分泌されるアディポネクチンの変化によって規定されていた。すなわち、単に骨格筋量の変化だけでなく、脂肪組織の変化にも影響を受ける可能性が示された。 一般的な運動処方は、骨格筋量の増加にはレジスタンストレーニング、体脂肪量の減少には有酸素運動であるが、アディポネクチンとマイオスタチンを定期的に評価し、運動処方の見直しを行う必要性が考えられた。これらの知見は、将来の最適な減量や介護予防プログラムの構築に貢献できる可能性がある。
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