本研究は,運動のばらつきの原因と考えられている神経系ノイズを脳活動のばらつきや脳内ネットワークのゆらぎの観点からヒト皮質脳波(EEG)を用いて定量化し,運動のばらつきの運動制御機構における機能的意義について運動学習実験を通して理解することが狙いである。 20-80歳代の健常成人を対象とし,運動学習実験とEEG計測を用いて学習能力と脳活動を記録した。また,ネットワークコミュニティ抽出法を用いて脳ネットワークのflexibilityを定量化した。若年者は高齢者と比較して脳ネットワークのflexibilityが高いことが明らかとなり,flexibilityは運動学習に関する指標と関係がみられた。
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