高齢化に伴う疾病の一つとして認知症がある。認知症は現在根本的治療方法がない疾患であるが、定期的な運動や身体活動量の維持によって予防できる可能性がある。本研究は高齢者の日常生活動作の中でよくみられる因子や、体力、ならびに身体活動量が、認知機能の維持や低下に係るかどうかを検証した。得られた成果として、高齢期に車両の運転を中止した者は、体力・身体活動量・認知機能のいずれも低いこと、車両の運転に何らかの不安を有する者も同様に、体力・身体活動量・認知機能のいずれも低いこと。さらに、日常生活のなかで身近な臭いを同定できない場合、体力の低下のみならず、軽度な脳萎縮を呈していることを明らかにした。
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