慢性腎臓病(CKD)における脂肪萎縮や筋委縮を特徴とするProtein-Energy Wasting(PEW)の発症メカニズムの解明を目的として、アデニン誘導性CKDモデルラットを用いて検討を行った。アデニンの混餌投与により著しい体重減少と、体重当りの白色脂肪組織量の減少がみられた。肝臓中の脂質含量も減少しており、白色脂肪組織と肝臓で脂肪合成関連遺伝子の発現減少と脂肪分解関連遺伝子の発現増加が確認された。アデニン投与群では血中遊離脂肪酸濃度が減少しインスリン抵抗性も見られなかったことから、アデニン投与による腎障害ではエネルギー消費が亢進することで体脂肪量が減少する可能性が示唆された。
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