先進国で高齢化が加速度的に進む中で老化研究の重要性は高まりつつある。超高齢化社会が進行している日本において、2020年には認知症の患者が600万人に達すると予想されている。加齢性記憶障害は、高齢者自身やその家族のQOLにも関わる重要な問題であるが、少子化に伴って生産年齢人口が減少の一途辿る日本において、経済成長という観点からも重要な課題である。脳内で最も発現しているGタンパク質共役型受容体であるCB1受容体は、加齢性記憶障害の有望なターゲットの一つである。本研究成果は、内在性カンナビノイド系の加齢性記憶障害の抑制機構の一端を明らかにし、加齢性記憶障害の予防・治療戦略の構築に資すると期待される。
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