研究課題
若手研究
水の雲粒が凍結して氷の雲粒が生成する過程は、降水形成や雲の反射率に大きな影響を及ぼす。水の雲粒内部で氷形成の核として重要な働きをする固体エアロゾルの、大気中における数濃度の測定を可能にするため、エアロゾルをフィルタに採取し、非水溶性固体粒子を水に分散させてから光学的に測定する分析手法の評価を進めた。室内実験や、都市大気エアロゾルの既存測定器との比較観測を通じて、本手法による鉱物ダストやブラックカーボンなどの固体エアロゾルの数濃度測定の妥当性が示された。
エアロゾル
鉱物ダストや生物由来粒子などの固体エアロゾルは雲の中で氷晶形成の核(氷晶核)として効率良く働くと考えられているもの、確立された測定手法がないために、その時空間的な変動や氷晶核への寄与の実態の把握が不十分である。本研究では、近年開発された水中微粒子の検出技術をフィルタに採取したエアロゾルの分析に応用し、その測定手法の評価を行った。本手法の評価は今後の固体エアロゾルと氷晶核の観測研究の1つの基礎となるものであり、これらの動態の理解に貢献すると考えられる。