農地・緑地等の人間の管理下にある雑草群集の形成・維持の仕組みを理解することは、現代における生態系への理解に繋がると同時に、環境管理における課題である。本研究は、国内における農地雑草情報を統合し、農地管理下にある草本群集の形成・維持機構を解明することを目的とした。分析の結果、栽培品目ごとに出現雑草の組成は大きく異なり、栽培管理のフィルタリング機能が示唆された。外来種の原産情報は国内の農地における侵入リスクの簡易的な把握に有用である可能性も示唆された。このように、国内の農地雑草の構造の包括的理解に繋がる知見を得ることができ、管理の効率化や外来種対策等に資する有用な情報を得ることができた。
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