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2019 年度 実施状況報告書

日本の農漁村社会における生態系サービスの評価:「関係性価値」の視点から

研究課題

研究課題/領域番号 19K20504
研究機関東京大学

研究代表者

石原 広恵  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (70821362)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード自然から人間社会が受ける貢献 / 関係性価値 / 生態系サービス / 漁業管理 / 制度 / Socio-Ecological Syetem
研究実績の概要

2019年度は、研究対象地域である三重県志摩市和具地区においてフィールドワークを二回実施し、さらにスペインのビルバオに海外出張を実施した。フィールドワークでは、イセエビ漁業従事者に聞き取りを行い、イセエビ漁業の管理体制を明らかにするとともに、海との関係性に関しても聞き取り調査を実施した。とくに7月のフィールドワークにおいては、地域の祭りである潮かけ祭りに参加し、漁業者、地域住民の海やイセエビ漁業との関係性について参与観察を行った。10月に実施したスペイン・ビルバオへの海外出張においては、生態系サービス研究の第一人者であるウナイ・パスカル博士と近年議論されている「自然から人間社会が受ける貢献」や「関係性価値」に関する議論をするとともに、新しい論文執筆を現在準備中である。同論部に関しては、現在執筆中であり、執筆が完了次第Ecosystem Service誌に投稿する予定である。さらに、三重のイセエビ漁業に関しては、すでに「Achieving multiple socio-ecological institutional fits: the case of spiny lobster co-management in Wagu, Japan」と題した論文をEcological Economics誌に投稿済みで、現在査読結果を待っている段階にある。また、恒星社厚生閣から近刊される八木信行編、『グローバル社会の中での水産改革と魚食の未来(仮題)』において、「日本の伝統的な漁業管理を国際的な視点で評価する:オストロムの設計原理の視点から」として同地のイセエビ漁業の事例を紹介している。しかしながら、3月に再度和具地区においてフィールドワークの実施を予定していたが、コロナ・ウィルスの影響で行くことができなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

019年度は予定されていたフィールドワーク3つのうち、2回のフィールドワークを実施することができ、また海外出張にも行くことができた。さらには論文を1本、総論を1本出すことができているため、研究は順調に進捗していると考えることができるため。

今後の研究の推進方策

2020年度に関しては、コロナ・ウィルスの状況にもよるが、10月以降にイセエビ漁業が開始されると同時に、フィールドワークを実施する予定にしている。フィールドワークでは、これから社会ネットワーク分析を可能にするデータ収集を行う予定にしている。10月までは、フィールドワークが実施できないため、執筆中の関係性価値に関する論文を完成させ、投稿する予定である。

次年度使用額が生じた理由

3月に三重県志摩市和具地区にフィールドワークに行く予定であったが、コロナ・ウィルスの拡散により行くことができなかった。その分のフィールドワークを今年度中に行う予定にしている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020 2019

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)

  • [学会発表] Utilizing scientific knowledge in coastal fisheries management: Insights from Spiny Lobster management in Wagu, Central Japan2020

    • 著者名/発表者名
      Hiroe Ishihara
    • 学会等名
      Workshop on Fisheries Resilience
    • 招待講演
  • [学会発表] 制度的なフィットの視点から日本の漁業管理を考える:三重県志摩市和具地区におけるイセエビ漁業管理」2020

    • 著者名/発表者名
      石原広恵
    • 学会等名
      日本水産学会
    • 国際学会
  • [学会発表] 三重県志摩市和具地区におけるイセエビの漁業管理―制度的フィットの観点から」2019

    • 著者名/発表者名
      石原広恵
    • 学会等名
      国際漁業学会
    • 国際学会
  • [学会発表] 日本の漁業管理のあり方―オストロムの設計原理の視点から2019

    • 著者名/発表者名
      石原広恵
    • 学会等名
      海洋アライアンスシンポジウムー「水産改革と日本の魚食の未来」
    • 招待講演

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公開日: 2021-01-27  

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