研究課題/領域番号 |
19K20516
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
河野 正 東京大学, 社会科学研究所, 助教 (40709002)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 中華人民共和国 / 農村 / 社会主義 / フィールドワーク / 人民公社 |
研究実績の概要 |
本年度は研究開始1年目として研究環境を整えるため、ノートパソコンを購入したほか、関連文献の収集をおこなった。 海外調査としては2019年8月に、これまでの調査から引き続きいて河北省唐山市の農村にて聞き取り調査をおこなった。様々な事情により聞き取りの分量には大きな制約が生じたが、内容としては1950~1960年代の村落社会について興味深いものを聞き取ることができた。この結果は紀要上で公表済みである。 史料調査としては本務校をはじめとする日本国内の研究機関・図書館等で調査を続けたほか、アメリカ・台湾などでも調査をおこなっている。その詳細は以下の通り。 まず、以前から引き続きおこなっているものとして2019年8~9月にカリフォルニア大学ロサンゼルス校東アジア図書館所蔵の『中共重要歴史文献資料匯編』の閲覧・収集をおこなった。本史料は大規模史料群であり、引き続き調査が必要である。アメリカではこのほか、2020年2月にメリーランド州の国立公文書館にてアメリカの対社会主義国宣伝に関する史料を収集した。 また今年度初めておこなった調査として、2019年8月に台湾・政治大学の国際関係研究中心図書室にて調査をおこなった。これらの史料調査については次年度以降も継続しておこなう予定である。このほか、以前より収集済みの史料の整理・分析も進めている。 これらの調査・研究の成果として上述調査報告1本のほか、関連分野の書評論文1本、書評2本が刊行済みである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は当初の予定通り中国農村でのフィールドワークや、米国・台湾での史料調査など、研究課題の1年目として今後の研究を準備することができた。また調査報告や書評論文など、研究成果も順調に発表することができた。 他方で、当初予定していた香港中文大学での史料調査が、香港におけるデモなどの影響で不可能となり、先行きも不透明になるなど、当初想定し得なかった様々な問題も発生している。この双方の状況を踏まえ、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
中国農村におけるフィールドワークやその他史料調査の可否など、現状ではかなりの部分が不透明である。 そこで今後は、本年度におこなった海外調査の計画を可能な限り実現を目指すほかに、当面これまでに収集した史料の再検討・整理を中心に研究を進める。 また中国共産党河北省委員会機関紙『河北日報』のマイクロフィルムについて、当初の予定では課題最終年度まで分散して購入する予定だったが、可能・必要であれば前倒しでの購入および利用を検討してる。
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