研究課題/領域番号 |
19K20525
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
森 朋也 山口大学, 教育学部, 講師 (30757638)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | コモンズ / 社会的共通資本 / 社会関係資本 / ラオス |
研究実績の概要 |
当該年度は、新型コロナウイルスの影響もあり、現地調査が実施できず、計画通りの研究ができなかった。その代わりに、過去にとってデータを活用した研究と現地の共同研究者との共同研究を行った。 前者の研究は、「社会的共通資本から見た村落共有林の役割:ラオス中部における事例研究」『山口大学教育学部研究論叢』(71巻、71-78ページ、2022年1月)として発表することができた。本研究は、「社会的共通資本」という枠組みから、ラオスの村落共有林という仕組み、および森林政策全体を分析したものである。 後者は、ラオス国立大学の共同研究者との共著、Community Participation in Upstream Forest Management ―A Case Study in Houaphan Province, Lao PDR―, Institute of Economic Research Chuo University Discussion Paper, No. 364、として発表している。この研究は、中央大学経済学研究所の公開研究会で報告した。この研究では、共同研究者がフアパン県で実施した現地調査のデータを用いて分析したものである。この研究は、ディスカッションペーパーとして刊行したが、今年度中に投稿し、掲載させることを目標としている。 また、当該年度は、政府が公開している統計資料(主に観光関連)を集め、データベース化した。このデータベースからパネルデータを作成して計量経済学の手法を用いた実証的な研究を進めた。この分析結果は、次年度に学会で報告して論文として投稿する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響で、ラオスへの現地調査ができず、新しいデータを取得できていない。このため、当初、予定していた研究を進めることができず、遅れが生じている。過去に集めたデータや共同研究者によるデータの提供によって研究を進めたが、十分なデータが手元にないのが現状である。共同研究者とは、定期的にオンラインでコミュニケーションをとりながら、調査計画を立てたが、ラオス自体もロックダウンをくり返していたので、代わりに調査に行ってもらうのも制限されていた。2022年度に入り、ラオス国内の制限も緩和され、外国人の受入も始めたので、次年度には現地調査を行い、当初の計画を取り戻すように研究を進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
ラオス国内の規制が緩和されてきたので、次年度は現地調査(夏と冬)を実施してデータを取得する予定である。そのデータを基に分析を行っていく。しかし、状況が悪化する可能性も十分に考えられるので、今年度と同様に、過去に取得したデータを用いた分析と共同研究者に現地調査を委託してデータを集めてもらうことも計画している。前者においては、現在、論文を一つ執筆しており、2022年8月までにJournal of sustainable tourismかSustainabilityに投稿する予定である。後者においては、かりに申請者が夏に現地調査ができなかった場合には、10月以降に共同研究者に調査を委託する予定になっている。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの発生により、学会がオンラインでの参加だったため、また現地調査が実施できなかったために、当初計画していた旅費、学会参加費、謝金などが利用されなかった。その部分での残金が発生してしまった。その残金は、主に、次年度における、現地調査の旅費と謝金、学会への参加費と旅費に充てる予定である。かりに、現地調査が困難になる場合には、共同研究者に業務を委託する予定であり、その謝金に与えることも想定している。その他、英語の校正、PCの購入、関連文献の購入も必要に応じて考えている。
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