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2022 年度 実績報告書

ラオスにおけるコモンズ研究の再検討:SESアプローチによる実証

研究課題

研究課題/領域番号 19K20525
研究機関山口大学

研究代表者

森 朋也  山口大学, 教育学部, 講師 (30757638)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードラオス / コモンズ / コモンプール / 社会・生態系アプローチ / 社会関係資本
研究実績の概要

本研究は、ラオスにおけるコモンズ研究を社会生態系アプローチ(SES)から考察し、その特徴を明らかにするものである。社会生態系アプローチ(SES)は、本研究では、分野横断的な研究のためにコモンズ研究者によって開発されたフレームワークであり、包括的なコモンズの分析をするために有効なものである。本研究は、新型コロナ感染症の影響で、予定していたよりも申請者による現地調査でのデータ収集はできなかったものの、共同研究者(ラオス国立大学)の協力の下で、複数の地域でのデータ収集、分析を行った。
その結果他国におけるコモンズ研究と比較した際に、いくつかの特徴が得られた。まず、中央集権的な森林政策の結果、地域共同体のガバナンスが作用する余地が少ないことが挙げられる。従来のコモンズ研究と同様に、コモンズの持続可能性を保つような制度は構築されていることは確認できた一方で、地域共同体がその制度の修正や調整をすることができない。つぎに、地域共同体内部において、リーダーが果たす役割が大きく、リーダーへの信頼という変数が集団的ジレンマを抑制することが定量的に示された。一方で、一般的な信頼性は大きな役割を持っていなかった。さらに、コモンズへのアクセスは経済的な立場が低いグループが多く、また、そのことに対する集団内における社会的な配慮(公平・公正性)が存在することも明らかになった。
一方で、残された課題も存在する。本研究では、研究機関内に、ラオスと隣国の関係性について政策的な研究を行ったが、それが地域レベルでどのような影響を持ったかが明らかにされていない。村落レベルでの資源利用(需要)は、ラオスの地域・国レベルだけではなく、隣国の市場の影響を強く受けていることが現地調査を通して明らかになった。このことを示すためには、複数の国・市場を踏まえた研究が必要となる。本研究は他国からの影響を十分に配慮できていない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (1件)

  • [国際共同研究] ラオス国立大学(ラオス)

    • 国名
      ラオス
    • 外国機関名
      ラオス国立大学
  • [学会発表] 国際空港別にみたラオスのインバウンド観光需要の動向2022

    • 著者名/発表者名
      森朋也、金承華
    • 学会等名
      国際公共経済学会全国大会

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公開日: 2023-12-25  

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