研究課題/領域番号 |
19K20532
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
柴山 由理子 東海大学, 文化社会学部, 准教授 (40824868)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 社会民主主義レジーム / 農民政党 / 福祉国家フィンランド / 普遍主義 / 国民年金機構(Kela) / 経路依存 / 年金制度 / 健康保険制度 |
研究成果の概要 |
フィンランドの福祉国家建設過程における農民政党の影響の大きさを明らかにしたことが本研究の成果である。スウェーデンを筆頭とした福祉国家の北欧モデル研究では、労働勢力の権力を動員した社会民主主義政党の役割に焦点が当てられている研究が多いが、フィンランドでは、農民政党の影響力が強かった。1937年国民年金法制定には農民同盟の意向が働き、同法を運用した国民年金機構(Kela)はその後役割を重層化させて社会政策の主要アクターとなる。賃金労働者を対象とした社会民主党に対し、農民同盟はすべての人を対象とする一律給付型の保障を主張し、ベヴァリッジ型の仕組みがその基礎に埋め込まれたことも特徴として挙げられる。
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自由記述の分野 |
比較政治学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
スウェーデンを筆頭に福祉国家の北欧モデル(社会民主主義レジーム)建設の研究は労働勢力の動員が中心であったが、フィンランドの事例を通じて、農民勢力の影響が強い「社会民主主義レジーム」を示し、北欧モデルの理解に多様性をもたらした。また、年金制度、健康保険制度、失業保険制度など、フィンランドの社会政策の仕組みが複雑で独特の形態を持つ理由を、農民同盟と国民年金機構(Kela)の経路依存から説明することを可能とした。これまで福祉国家の制度は分野別に研究されていたが、政治との関係を明らかにするとともに、制度間のつながりを示した。
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