研究課題/領域番号 |
19K20553
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
|
研究機関 | 慶應義塾大学 (2023) 金城学院大学 (2019-2022) |
研究代表者 |
大嶋 えり子 慶應義塾大学, 経済学部(日吉), 准教授 (90756066)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 移民 / 植民地 / 多文化 / イスラーム / ユダヤ人 / フランス |
研究成果の概要 |
フランスで使用されている「共同体主義」概念の意味および用いられる際の意図や文脈を明らかにした。「共同体主義」とは、マジョリティとは異なる出身地域や宗教などの文化的習慣に基づいた共同体などが共和国の原則を受け入れずに閉鎖的にふるまい、特別な権利を主張するといったおおよそ想像上の現象を批判する概念であり、マイノリティを批判する際に使用する政治的コノテーションを持った概念である。「共同体主義」を体現しているとしてたびたび批判されてきたムスリムに関する言説と、「共同体主義」として批判されにくいユダヤ人に関する言説を比較し、「共同体主義」概念の使用において両共同体間で違いがあることを指摘した。
|
自由記述の分野 |
政治学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はフランス社会のよりよい理解に資する一方で、日本社会にとっても2点において重要性および緊急性が高い。まず、日本社会には多くの移民やその子孫が住んでおり、多様な文化を持った者が共生する道を今後さらに考えていく必要がある。そのためには、異なる文化が国内に入ってくることによって起きうる変化や、あるべき多文化共生を模索する上で、他国の事例は参考になるであろう。総在留外国人は300万人近くおり(2016年12月時点の法務省による在留外国人統計)、こうした課題には高い緊急性がある。とりわけ移民をめぐる議論が活発であり、日本と同じように旧植民地から移民を多く受け入れているフランスの事例は参考になる。
|