本研究ではセシウムスパッター型負イオン源における負イオンの生成について調査するために、PbF2を混合した試料から生成される分子負イオンビームの分析を行った。同族イオンに関して、生成のされ方に同様の傾向が見られ、元素の種類や電子親和力の影響が考えられる。また、レーザー光脱離法による電子親和力の推定も試み、電子親和力が大きいほど、負イオンの抑制率が大きくなることが観測された。これらのような基礎データは、特に加速器質量分析とレーザー光脱離法を組み合わせた手法を様々な核種へ適用させる上で重要であり、さらなる研究やデータの蓄積が期待される。
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