研究課題/領域番号 |
19K20638
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
菊池 信彦 関西大学, 東西学術研究所, 特別任用准教授 (00826373)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | デジタルアーカイブ / 第二共和政 / 読書史 / 出版史 / スペイン現代史 / デジタルヒストリー |
研究実績の概要 |
本研究は、本の日とサン・ジョルディの日という2つの祭の「接続」を通じて、カタルーニャとカスティーリャのそれぞれの国家/地域文化ナショナリズムを「接続的な」観点から検討し、既存の対立図式とは異なる新しい解釈を生み出すことを目指している。 当該年度は、その前年度末に始まった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより、スペイン現地への史料調査を行うことが出来なかったため、分析の中心となる図書商業組合やカタルーニャ州政府の史料入手ができなかった。また、コロナ対応のために緊急に行わなければならない別の研究計画が生じたため、本研究を進めることが困難となった。ただ、その中であっても、現地のエフェメラ史料(本の日のポスターや配付されたしおり)をインターネットを通じて購入し、それをデジタルアーカイブで整理することで、一定の進捗を見た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって、スペイン現地での史料収集の機会がなかったこと、また、パンデミックへの対応のため研究を急遽進める必要が生じたことから、成果発表を行うことが出来なかった。 しかし、インターネットを通じて、現地のエフェメラ史料(本の日のポスターや配付されたしおり)をインターネットを通じて購入し、それをデジタルアーカイブで整理することで、一定の進捗を見た。
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今後の研究の推進方策 |
パンデミック終息の見通しが立たないこともあり、当初の研究計画を軌道修正する必要がある。すなわち、当初計画では内戦期以降現在までの本の日とサン・ジョルディの日の分析を予定していたが、現在に近づくほど、著作権等の理由から現地での史料収集が不可欠となる。そのことから、研究対象の期間を第二共和政からフランコ期前半(1950年代)に圧縮することで、当初の研究計画よりも多角的な分析を目指す。そのためには、すでに入手済みの史料やインターネットで収集可能な史料を中心に、これまでの調査対象地域であったバルセロナだけでなく、マドリードにも広げる。また、2020年度に予定していた調査のうち当時の販売図書に関する調査は未着手であるため、この販売図書に関する調査を重点的に行い、成果発表を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症のパンデミックのため、予定していた現地調査および史料収集が出来ず、その分の往復旅費や資料代が手つかずのままとなった。このため次年度使用が生じた。
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