研究課題
若手研究
本研究は、循環器系疾患の発症・進展メカニズムの解明に関する基礎研究として、赤血球と血管内皮上に存在するグリコカリックスの力学的相互作用の解明を目指したものである。連続体スケールにおける流体と膜の連成解析によって壁面近傍を移動する赤血球の変形形状やその周囲の流れ場が明らかとなった。また、分子動力学解析によって血管内皮とその上を移動する赤血球膜の間に存在する水分子の分布などが明らかとなった。
生体工学
グリコカリックスのサイズはナノメートルオーダーであるのに対して赤血球流動のスケールはマイクロメートルオーダーであるため、赤血球と血管内皮の相互作用はほとんど分かっていない。本研究はそれらの相互作用を連続体スケールの数値シミュレーションと分子動力学解析によって解明を試みたものである。グリコカリックスの損傷は循環器系疾患の発症に関連するため、その損傷プロセスを明らかにすることは循環器系疾患のメカニズム解明につながると期待できる。