人工靭帯に関する研究は現在でも多くの研究者が取り組んでおり、合成高分子材料や天然由来材料を用いて作製した人工靭帯が報告されている。他の報告例と本研究の異なる点および特徴として以下が挙げられる。 ①靭帯の成分として知られるコラーゲン、エラスチン、靭帯細胞で靭帯組織特有の靭帯ー骨段階構造を再現できる新規人工靭帯の開発を試みた。これまでにコラーゲンと細胞を用いた報告例は様々あるが、エラスチンを用いた報告例はほとんどない。 ②靭帯ー骨段階構造再現のために幹細胞や骨芽細胞でなく、靭帯細胞への刺激による骨化誘導を行う。人工靭帯作製に靭帯細胞のみを用いることで、より簡便なプロセスでの開発を目的とした。
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