本研究では,軟性内視鏡治療における医療用鉗子の把持状態や,接触した臓器の硬さなどを同時に計測可能センサの実現を目指し,情報に応じて呈する構造色が変化する,構造色式センサによる,触覚取得技術の開発に取り組んだ。開発したセンサ要素の3軸荷重に対する応答を取得し,垂直荷重に対する荷重分解能1mN,計測範囲25mNを確認した。また,実際の生体組織の硬さに対応するA5およびA45のサンプルに対しての応答を取得した。これらの評価結果から,医療用鉗子で想定される把持力5Nまでの範囲での垂直荷重及び,その際の摩擦力を計測可能な性能の実現に成功した。
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