研究課題/領域番号 |
16H07085
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
加藤 沙弥佳 宮崎大学, 医学部, 助教 (90598088)
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研究期間 (年度) |
2016-08-26 – 2020-03-31
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キーワード | 認知行動療法 / 行動活性化療法 / うつ病 / 看護師 |
研究実績の概要 |
本研究では欧米諸国において薬物療法に匹敵する治療効果が認められている認知行動療法に着目し、①看護師が行ううつ病性障害患者を対象とした認知行動療法プログラムを標準化・洗練化すること、②認知行動療法の有効性をランダム化比較試験により検証すること、③認知行動療法の費用対効果を明らかにすることを目的としている。 そこで、平成29度までに先行研究で実施されている認知行動療法の1つである行動活性化療法のプログラムに文献検討を加え吟味し、4回セッション(1セッション60分)で完結できる、行動活性化療法をベースとした認知行動療法ショートプログラムを作成した。作成したプログラムは平成29年6月~平成29年10月にかけて13名の対象者に対し、個々に試験的に実施した。 平成30年度は、平成30年5月~7月にかけて目標対象数に達するよう、残り2名の対象者に対し、個々にプログラムを実施した。また、プログラムの効果測定は、①ベック抑うつ質問票(BDIⅡ)、②簡易抑うつ症状尺度(QIDS-J)、③Patient Health Questionnaire(PHQ-9)、④EQ5D-5Lを用いているが、フォローアップデータも含めて平成30年度内にデータ収集を完了し、データ分析まで実施した。 今後の予定として、試行的に実施した行動活性化療法の実現可能性について、8月に開催される国内学会にて成果を発表し、その後、論文化を目指す予定である。その後、プログラムの見直しを行い、認知行動療法ショートプログラムに関する効果検証及び費用対効果について検証を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は認知行動療法のプログラムを作成し試行的に実施する予定であったが、研究を進める中で認知行動療法の中でも行動活性化に特化して治療を行った場合でも同等の治療効果が認められることが他の研究グループより発表された。本研究は、より短期間で実施できるショートプログラムを作成することが目的であったため、行動活性化療法に特化したプログラムに変更することが必要であると考え、約1年かけて文献検討を加え、大幅にプログラムの修正を行った。 その上で試行的に行動活性化療法を実施し、実用可能性の検証を行ったが、現在までにプログラムを見直し修正するまでに至らず、ランダム化比較試験についても実施できていないため。
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今後の研究の推進方策 |
行動活性化療法の実現可能性について、8月に開催される国内学会にて成果を発表し、その後、論文化を目指す予定である。その後、プログラムの修正を行い、認知行動療法ショートプログラムの有効性をランダム化比較試験により検証し、費用対効果を明らかにする。
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