研究課題
研究活動スタート支援
本研究の遂行により、1950年代後半から1970年代後半にかけて、日本画家・洋画家・工芸家たちに加え、古美術商、学者の三者が協調して、日本と文化的な紐帯を有する「ペルシア」なる独自の概念を生み出していたこと、イスラーム美術工芸品の中でも、このイメージに合致するタイプの作例が重点的に収集され、作家の創作の源となっていたことが始めて明らかになった。
イスラーム美術史
本研究の学術的意義は、オリエンタリズム研究という文脈からも、イスラーム美術工芸品の収集史研究という文脈からも、近代日本におけるアジア憧憬研究という文脈からも研究の対象とされてこなかった近代日本におけるイスラーム美術工芸品収集の思想的背景と傾向について、明らかにした点にある。