本研究の目的は、ベトナムで普及している家庭用バイオガス装置の発展方法としてコミュニティでシェアするCREバイオガス装置の有用性を検討することであった。現行のバイオガス装置の課題として、飼養家畜頭数の変化に対する不安定性、過剰なメタンガスの放出、処理しきれないし尿による環境汚染がある。実際にCREバイオガス装置を敷設し記録した結果として、大気中へのメタン放出量、し尿の流出をバイオガス消費量比で従来の家庭用バイオガス装置に比べ80%以上削減可能なことがわかった。また、経済的採算性についても、初期費用が高いもののライフサイクルでみれば、従来型の家庭用バイオガス装置に比べて採算性が高いことがわかった。
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