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2019 年度 実施状況報告書

原発避難者の避難先地域との関係構築と複層的意識構造の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K20916
配分区分基金
研究機関東洋大学

研究代表者

川副 早央里  東洋大学, 社会学部, 助教 (50778660)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワード原発事故 / 広域避難 / 軋轢 / 避難者支援 / 避難者の受け入れ
研究実績の概要

本研究の2年目となる2019年度は、原発事故の避難者と避難先住民の関係性の解明、避難元から離れた状態での苦悩や戦略について聞き取り調査で明らかにすること、それらの調査結果に基づいて避難者のアイデンティティを類型化し意識構造を分析すること、その成果を学会等で発表することを予定した。現地調査については、特に福島県いわき市および山形県へ避難する方々への聞き取り調査を進めることができ、それぞれの地域における避難者同士のつながりのあり方や避難先地域との関わり、帰還やふるさととのつながりに関する現状と展望について明らかにすることができた。しかし、避難者を取り巻く状況は時々刻々と変化している部分もあり、避難者の間でも意識の多様化・複雑化が進行していることも明らかとなった。これらの分析結果は博士論文の一部に組み込むかたちで現在執筆作業を進めているところである。その他予定していた学会報告等を実現することができなかったことに反省が残る。また、成果発表という点では、研究に基づいて第6回シニア社会学会シンポジウム「あれから9年~わたしたちはフクシマを忘れない<帰還しないと決めたふるさととの絆>」を企画・司会進行を務めた。東日本大震災・原発事故被災地域に関する報道が少なくなるなかで、避難元である福島の現状や避難先における避難者の生活と意識の現状と課題について広く社会に発信することを努めた。次年度は、主に調査で得られたデータの分析と成果発表に注力したい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究の2年目となる2019年度は、主に現地調査、結果分析、成果発表に取り組みことを予定した。現地調査については、昨年同様に避難者の帰還や避難生活の状況や環境の変化により、一部予定していた聞き取り調査を行うことができなかった。また研究成果の発表についても、公私における多忙により十分な時間を割くことができず、分析及び成果の発表に遅れが生じてしまった。

今後の研究の推進方策

2020年度は、第一に一部終えられていない聞き取り調査を行う。新型コロナウイルス感染拡大により調査時期を遅らせる必要が出てきているため、調査方法や調査対象者探しにおいて柔軟に対応して調査を遂行したい。第二に、学会発表および論文執筆により、研究成果の発表に注力する。加えて、昨年度同様にシンポジウム開催による研究成果の社会発信も行いたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

授業準備や学科業務、学会業務等の多忙に加え、子どもの養育のために、研究活動にかけられる時間が制限され、当初計画していたような調査の実施や研究成果の発表に取り組むことができなかったため。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 福島からの避難者の心の復興に向けて2020

    • 著者名/発表者名
      松村治・川副早央里・浦野正樹
    • 雑誌名

      プロジェクト研究

      巻: 14 ページ: 51-61

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 福島第一原発後の<二点居住>という生活のかたち2019

    • 著者名/発表者名
      川副早央里・松村治・浦野正樹・長田攻一
    • 雑誌名

      Waseda Rilas Journal

      巻: 7 ページ: 437-446

    • オープンアクセス
  • [学会発表] あれから9年わたしたちはフクシマを忘れない<帰還しないと決断したふるさととの絆>(企画・司会)2020

    • 著者名/発表者名
      川副早央里・松村治
    • 学会等名
      シニア社会学会「災害と地域社会」研究会
  • [学会発表] 災害復興の地域的最適解に関する総合的研究④ 原発事故被災地域における 復興の特徴と課題2019

    • 著者名/発表者名
      川副早央里・高木竜輔
    • 学会等名
      日本社会学会

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公開日: 2021-01-27  

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