2017年・2018年改訂学習指導要領が実施に移される中で、「主体的・対話的で深い学び」として、グループ学習や学習者同士の学び合いが広く実践されてきている。その中で、協働で行われる学習とその成果を評価するという、妥当性や公平性の点で複雑かつ困難な課題が学校現場に投げかけられている。本研究の成果は、そうした難題に向けて、協働的な学習に関する歴史的・理論的な知見をもとに解決策を示唆するものである。また同時に、従来個人の学習に焦点化してきた教育評価論と、教育評価の問題をあまり取り上げてこなかった協働的な学習の研究とを架橋し、両者の射程を広げるという学術的意義を有している。
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