研究課題
研究活動スタート支援
3歳から6歳の幼児を対象に,動作について発話と身振りで表現するメッセージビデオを提示し,その後,4つの選択肢からメッセージと最も一致するものを選択させた。この際,ビデオや選択肢を見ている最中の参加者の視線を計測した。その結果,幼児はビデオでは身振りよりも顔に視覚的注意を向け,選択肢では,正答選択肢に最も視覚的な注意を向けていた。また,統合を促進する指示詞の効果が視線に反映されていた。
発達心理学
本研究の学術的意義は,幼児が発話と身振りの情報を同時に考慮してメッセージを理解しようとする際における発話と身振りの統合過程を視線から明らかにした点にある。また,社会的意義は,幼児期のコミュニケーションにおいて聞き手が話者のどこを見ているかという点が,聞き手の統合的理解の状態を把握するうえで手がかりになる点を示したことである。