研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多変数関数論の歴史を遡ると必ず登場する楕円曲線及び楕円積分に関する理論は, 様々な現代数学の源流と呼ぶに相応しいものである. 事実, その代数学的・幾何学的・解析学的性質の解明やそれらの関連についての考察は, 現代にまで通用する様々なアイディアを導き出している. 本研究で主な役割を担うK3曲面はその自然な一般化といえ, 具体例ではある一方で, 数学内外の非常に広範な範囲に及ぶ一般性を秘めた対象である. またヒルベルトの第14問題にも関連する具体例である射影曲面の9点爆発もまた別の文脈から非常に重要な具体例であり, これらに関する本研究は意義深いと言える.
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