研究課題
研究活動スタート支援
本研究の主要な成果は以下の3点である。(1)従来の手法を拡張することで反対称化分子動力学を用いて任意の遷移強度分布を記述可能なクラスター相関を取り入れた手法を開発した。これにより遷移強度分布を用いた系統的なクラスター構造研究を可能にした。(2)24Mgにおける0+状態、1-状態、2+状態に現れるクラスター共鳴の構造を明らかにした。(3)構造を仮定しない微視的理論模型による24Mgのα崩壊幅・12C崩壊幅の定量的評価を初めて行った。
原子核理論
本研究が対象とする12C+12Cクラスター共鳴は炭素燃焼過程に深く関与しており、赤色巨星や超新星爆発のシナリオに大きく影響する。また、その性質解明は元素の起源を理解するうえで不可欠である。しかし、性質の実験的解明は困難であり、不定性が非常に大きかった。そのため、本研究によって、12C+12Cクラスター共鳴のエネルギーや崩壊幅といった性質が信頼のおける理論によって初めて定量的に予言されたことは学術的に非常に意義深い。