太陽の100-1000倍程度の質量を持つ中間質量ブラックホール候補天体である超高光度X線源(ULX)の観測データに、新たな解析手法を取り入れることで、その放射メカニズムと中心天体の正体の解明を試みた。新手法により、ULXのX線スペクトルを構成する放射成分の形状の特定に成功し、中心天体の周りには、内縁半径が数百kmの降着円盤が形成されていることが示唆された。また、研究期間中に一部中心天体の正体がブラックホールではなく、作業仮説の1/100程度の質量である中性子星であることが判明したが、今回取り入れた解析手法によって、これら中性子星を物差しにし、他天体の質量を決定できる可能性を見出した。
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