フィリピン海における積雲対流活動は、東アジア域の天候など遠隔的に広い地域へ影響を及ぼすことが指摘されているが、どのような大気擾乱が発達して遠隔影響を与えているのかは明らかではなかった。 本研究では、夏季熱帯季節内振動の短い特定期間において、フィリピン海上で総観規模擾乱が急発達した結果、日本付近の天候へ影響を与えることが示された。これにより、主にインド洋上で発生し東進していく熱帯季節内振動を事前に観測・監視し、フィリピン海上での対流の発達を予測することで、東アジア域の季節予報や異常気象の予測精度の向上につながることが期待される。
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