本研究では,窯業系サイディングを対象に,内部損傷の観点から,実環境と促進凍結融解試験の対応を明らかにし,実環境における内部損傷を再現可能な促進試験条件を提案することを目的とした。まず,従来から用いられているJIS A 1435の気中凍結水中融解試験後および長期間暴露後のサンプルについて,X線CTにより得られた断層画像より,ひび割れの分布を評価した。次に,実環境を再現しうる促進条件を明らかにするために,促進条件として新たに下面吸水凍結融解を提案し,従来の促進条件とのサンプルのひび割れ分布の差異を比較した。最終的に,長期間暴露後の内部損傷を再現しうる促進試験方法を提案した。
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