本研究は,脳波を非線形振動子とみなし,刺激に対する応答を位相応答曲線として推定する手法の枠組みを構築した.特に,経頭蓋磁気刺激を与えた脳波データを対象としており,磁気刺激由来のアーチファクトを除去し,自己回帰モデルで予測する手法を提案した. 研究成果として,磁気刺激を与えた場合と疑似刺激を与えた場合の両方で妥当な推定結果を得ることに成功した.しかしながら,この手法は脳波が予測可能かどうかに大きく依存しており,これを解決するために,脳波が予測可能な時にのみ刺激を与えるシステムを構築する予定である.
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