まずマカクサル4頭の行動実験から報酬とリスクのバランスを定量化できる行動評価法の開発に成功した。つぎにこの課題遂行中に前頭葉領域及び中脳の様々な部位にGABAA受容体のアゴニストであるムシモルを注入して可逆的不活性化実験を行ったところ、腹外側前頭葉皮質(vlPFC)を不活性化した際にリスク依存性が消失することが見いだされた。現在、vlPFCにおける大規模神経活動同時記録を開始している。サルがHH-LL課題課題遂行中にvlPFCから神経活動を記録すると、リスクと期待値それぞれ独立に応答するニューロンの他、興味深いことにそれらの両方に依存する応答パターンを示すニューロンが観察されている。
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