マイクロ流体技術を用いてリン脂質、コレステロール、PEG脂質と炭酸水素アンモニウム (ABC)を用いてナノ粒子を作製したところ、およそ60 nmの均一な球形構造を示すナノ粒子が作製できた。更に本ナノ粒子は65℃に加温したところで、PDIが急激に増加した。この温度に伴うPDIの増加は、温度上昇によってCO2が産生され、粒径に変化が生じたためと考えている。本ナノ粒子のがん組織への集積を検討したところ、投与24時間後にがん組織への集積が確認された。以上、ABC含有ナノ粒子はがん組織に移行可能なCO2発生ナノ粒子として機能し、がんセラノスティクスシステムの基盤となることが期待できる。
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