研究課題
研究活動スタート支援
本研究では、肥満誘導性肝がんに対する腸内細菌のリノール酸(LA)代謝物の効果を明らかにすることを目的とした。肥満肝がん誘導マウスの肝臓には細菌のLA代謝物の蓄積が認められ、高LA食により増加した。高LA食マウスの便からLA代謝能を持つ株の単離に成功し、乳酸桿菌であった。またメタ16S解析から高LA食により増加した。さらに、高LA食により脂肪肝の抑制が認められ、LA代謝物との関係性について今後の研究課題である。
病態生理学
食文化の変化による非アルコール性脂肪肝炎から発生する肝がんの治療・予防法の確立は重要な課題である。本研究は、必須脂肪酸であるリノール酸(LA)が肝がん抑制に働くメカニズムを追求しており、臨床現場に還元できる内容となっている。また、LAの供給量が増えることで、乳酸桿菌の増加が認められた。機能性が謳われるLA代謝物が肝臓に蓄積した結果から、LAがプロバイオティクスとして機能していることが明らかとなった。