システイニルtRNA 合成酵素(CARS)2は活性イオウ分子種の一種であるシステインパーサルファイドの合成酵素である。CARS2遺伝子発現は、手術摘出肺の非癌部位に比して、肺癌部位で低下していることが明らかとなった。また、手術後に再発した症例は非再発症例よりもCARS2のタンパク発現が低い傾向を認めた。肺癌部位における検討ではCARS2とその他イオウ代謝関連酵素である2つの遺伝子発現との間に正の相関関係を認めた。以上よりイオウ代謝と発癌には関連があり、個々の癌でイオウ代謝への依存度が異なり、癌の悪性度に寄与している可能性が示唆された。
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