ガイダンス分子Draxinと受容体Neogeninによる経路が小細胞肺癌の腫瘍形成性に及ぼす影響を検討するために、細胞株H69ARとSBC5を用いてDraxinとNeogenin遺伝子欠損細胞株を各々作成し、蛋白発現とリン酸化発現の解析を行った。Draxin遺伝子欠損群ではアポトーシス関連因子であるカスパーゼの発現減少の傾向が認められ、Neogenin遺伝子欠損群では腫瘍の浸潤・転移に関与する細胞接着因子FAKの発現減少の傾向を認めた。またDraxin-Neogenin経路を阻害するデコイ蛋白を作成、培養中の小細胞肺癌に投与した結果、カスパーゼの発現が減少する傾向にあることがわかった。
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