研究課題
研究活動スタート支援
本研究は、DLL3を標的とした大腸癌に対する新規抗がん剤の治療適応の可能性について検討することを目的とし、主に臨床検体を用いた免疫染色による研究と細胞株を用いた研究を施行した。米国の腫瘍に関する遺伝子データベースにおいて、今回、治療のターゲットとなるDLL3遺伝子は腫瘍部で強発現している可能性が示唆されていたが、臨床検体を用いた検討では腫瘍部特異的に強発現する症例は認めなかった。また、細胞株を用いた検討ではDLL3遺伝子がアポトーシスに関与する可能性は示唆された。
大腸癌
今回、2019年に肺小細胞癌に対する一次治療後の維持療法として DLL3遺伝子を標的とした新規抗腫瘍薬を評価する第3相試験(MERU試験)の結果が公表され、治療群はプラセボ群と比較して生存期間の延長が認められず、臨床試験は中止となった。このことは我々が研究対象としていたDLL3遺伝子を標的とした新規抗腫瘍薬の大腸癌治療への応用に関する研究に影響を及ぼした。