多発性硬化症(MS)患者66例の頭部MRI撮影及びHLAタイピングを施行し、脳容積の減少速度、及び病巣体積の増加速度とHLAの関係について解析を行った。HLA-DRB1*15:01保有者では、全脳容積、脳白質容積の減少速度が速く、DRB1*04:05保有者では、病巣体積の増加が緩徐であった。いずれのHLA遺伝子も脳灰白質容積の減少とは関連していなかった。DRB1*15:01とDRB1*04:05はいずれも日本人MSにおける疾患感受性遺伝子であるが、MSの進行においてそれぞれ異なるメカニズムが機能していることが示唆された。さらに症例数を増やして全ゲノム解析を行う予定である。
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