糖尿病性心筋症進展のメカニズムとして、微量の食餌由来酸化ステロールが長期間吸収されることで、心筋組織に及ぼす影響を検討することが本研究の目的である。酸化ステロール添加食・非添加食を作成し、ストレプトゾトシン誘導糖尿病ラットに16週間食餌させたところ、酸化ステロール添加食群では超高磁場心臓MRIにて左室ストレイン値低値を認め、局所心筋機能障害が示唆された。更に心臓での炎症性サイトカインのmRNA発現は亢進しており、心筋組織への炎症細胞の浸潤を認めた。今後、酸化ステロールの心筋組織への局在評価を行い、免疫系細胞やミトコンドリア機能に着目したメカニズム解明を継続する予定である。
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