I型インターフェロン(IFN)は悪性黒色腫に対する重要な抗腫瘍因子として注目されている。本研究はI型IFN誘導性遺伝子の役割に焦点を当て、これらの遺伝子に影響を与える因子を探索し、その病態における機序を解明することを目的とした。I型IFN誘導性遺伝子に影響を与える因子の探索を行った結果、腫瘍代謝産物X(未公開)により、樹状細胞において抗腫瘍効果を持つサイトカインIL-12bの産生が抑制された。網羅的解析からXは転写因子Y(未公開)を誘導することが分かった。遺伝子Yはヒトの悪性黒色腫の組織において病期ステージが進行するほど発現率が上昇しており、腫瘍免疫において重要な因子であることが示唆された。
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