研究課題/領域番号 |
19K21360
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補助金の研究課題番号 |
18H06268 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0906:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
松浦 孝紀 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (90821679)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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キーワード | 慢性疼痛 / 神経可塑性 / 視床下部オキシトシン / 慢性関節炎モデル / ホールセルパッチクランプシステム |
研究成果の概要 |
視床下部オキシトシン(Oxytocin: OXT)を中心とする神経ペプチドと慢性疼痛に対する中枢神経系のシナプスの可塑性変化に着目し、電気生理学手法を用いて検討した。その結果、OXTは大脳辺縁系の前帯状回領域において、記憶・学習のメカニズムの一つとされる長期増強(Long-term potentiation; LTP)に影響を及ぼしていることが示唆された。次に視床下部OXTニューロンに着目し、慢性炎症関節炎モデルラットのOXTニューロンのシナプスの可塑性についても検討した。慢性炎症関節炎モデルラットでは、OXTニューロンのシナプスの可塑性変化にも影響を及ぼしていることが明らかとなった。
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自由記述の分野 |
疼痛
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
視床下部系・下垂体後葉ホルモンの一つであるオキシトシン(oxytocin: OXT) の生理的役割は、近年では記憶、学習、信頼形成ならびに疼痛調整等の種々の中枢神経系を介した生理的作用が明らかになりつつある。本研究は、慢性疼痛に関与する中枢神経領域に注目し、OXTと中枢神経系(特に大脳辺縁系)の神経可塑性との関連性ついて検討した、OXTは前帯状回における神経の可塑性に影響を及ぼしていることを明らかにした。また慢性疼痛モデルにおいて、OXTニューロン自身も神経の可塑性変化を来たしていることが明らかとなり、視床下部OXT系の動態は疼痛逃避行動ならびに情動に影響を及ぼすことを示した。
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