本研究では、糖尿病モデルラットに抗酸化剤を投与することで酸化ストレスを抑制し、糖尿病による組織傷害発現を抑制することによって酸化ストレスが歯周組織の創傷治癒に与える影響を検討した。糖尿病モデルラットから単離した歯肉線維芽細胞を使用したin vitro実験において、高血糖状態を再現した培養液に抗酸化剤を添加することで酸化ストレスが低下し、またそれによってインスリン抵抗性が改善した。さらには細胞増殖能および細胞遊走能が改善することが示された。糖尿病モデルラットを使用したin vivo実験においては、投与する抗酸化剤の種類や期間による創傷治癒への影響については今後さらに検討する必要がある。
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