口腔扁平上皮癌(OSCC)患者において、SMAD4低発現群は化学放射線治療(CRT)の治療効果不良かつ有意に予後が不良であった。OSCC細胞株でSMAD4を抑制すると、5-FUおよびCDDPの感受性の低下を認め、cIAP2の発現が上昇していた。CRTの治療効果不良であった症例の切除標本で、CRT後も生存していた癌細胞でSMAD4の発現低下とcIAP2の高発現を認めた。OSCCにおいてSMAD4低発現は、cIAP2発現上昇による抗アポトーシス作用増強を介して抗癌剤抵抗性に関与している可能性が示唆された。SMAD4がOSCCの治療効果予測因子および治療標的として応用できる可能性が示唆された。
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