本研究では,「透析患者の自律神経機能を安定化させることにより,身体的な機能改善および患者QOLを向上させること」を目的とした.患者ごとに最適な除水速度を決定し血液透析を行うことは必須である.本研究では最適な除水速度を決定するため,透析患者の平均除水速度と死亡率の関係を調べた結果,非糖尿病性腎症患者群と糖尿病性腎症患者の至適UFRはそれぞれ12.07 mL/hr/kgと9.66 mL/hr/kgであった.本研究の結果は,過除水が引き起こす交感神経過活動による致死性不整脈,急激な血圧低下による循環不全,心臓突然死の予防し,患者のQOLの向上,社会復帰の上昇,合併症の予防を可能とする.
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