研究実績の概要 |
(1)2022年度に引き続き県/年齢コホート別パネルデータに、厚生労働省『賃金構造基本統計調査』の賃金データを取り入れて分析を発展させたが、データが不十分なため頑健な結論は得られていない。 (2)現段階の結果をもとにプレゼンテーション用の材料を改訂するとともに、本文を完成させ、浅井健太郎氏との共同論文として2023年6月に一橋大学経済研究所のDiscussion Paperとして公開した(“The Consequences of Hometown Regiment What Happened in Hometown When the Soldiers Never Returned?" IER, Discussion Paper Series A No. 743)。 (3)2023年9月に米国ピッツバーグで開催されたEconomic History Association 2023 Annual Meetingにおいて口頭報告するなど、国内外の各所で研究内容を報告し、欧州において同様の研究に従事しているフランスやスペインの研究者との連絡も継続した。 (4)厚生労働省に残されている戦死者関係の資料の電子複製からの集計については、別資料で代替する案で決着がついた。詳細については厚生労働省の担当者の了解が得られ次第公表する。また、各都道府県の援護課への資料残存についての照会を継続し、残存する資料の詳細について一部確認できた。厚生労働省から提供を受けた情報は、具体的には国勢調査による都道府県別コホート別男女比の変化の操作変数(ただしトリートメントグループのみに適用)として用いた。基本的な含意は、これまでと変わらず、分析の頑健性を確かめることができた。
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