研究課題/領域番号 |
19K21731
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
相澤 真一 上智大学, 総合人間科学部, 准教授 (00456196)
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研究分担者 |
高橋 かおり 立教大学, 社会情報教育研究センター, 助教 (30733787)
辻 竜平 近畿大学, 総合社会学部, 教授 (40323563)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | 職業芸術家 / 社会的ネットワーク / キャリア / 外国語運用 |
研究実績の概要 |
本研究は、グローバル社会のなかでサバイバルしようとする職業芸術家に焦点を当てて、彼らのネットワーク構築関係を定量的・定性的に分析するデータセットを作成する。このデータセットを分析することにより、国際発信可能な学術的水準の高いネットワーク分析を産み出すことを目的とするものである。 1年度目は、年末年始のベルリン調査を中心に、職業芸術家への集中的なインタビューを行い、ネットワークの質的なデータ構築について、大きな進展があった。予備調査段階で数多くの調査を行った学部卒業直後の方々に対して、30歳代以降の専門的キャリアを築こうとする時機の方々に数多く話を伺った。特に、専門とする分野、自分が得意とする分野、さらにコミットメントする母国語・外国語ネットワークの世界の在り方によって、人々のキャリアのあり方が大きく分化していく可能性について有力な情報をいただいた。また、そこで芸術のなかでも分野ごとで専門的なキャリアの築き方の違いについても示唆ある情報を多数いただくことができた。 また、量的、質的両面のネットワークの分析方法に長けた方々との研究会も行い、それぞれの観点から有意義な示唆をいただいた。このデータがどのように発展できる可能性があるのかについての情報交換を行った。さらに共同研究者との書籍執筆などの作業を通じて、術家のネットワーク構築を社会学者が調べることによる再帰的な変化と新しいコラボレーションの可能性についての成果も発信することができた。2年度目以降の分析の深化が見込める状況にある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年度目1月までは、海外調査などを行い、予想以上の成果が見込まれつつあった。しかしながら、3月に海外調査の一つがキャンセルとなり、追加調査の一つを見送らざるを得なかった。以上の点を鑑みて、現在までを総合的に見た場合、「おおむね順調に進展している」と見ることができる。
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今後の研究の推進方策 |
2年度目は、COVID-19の影響で追加の現地調査は難しいと予測されるため、データの分析に注力する。質的データについての従来の質的読み込みのほか、計量テキスト分析を行う予定である。またここまで集めた質的データをマクロにとらえることのできる量的データについても可能な限りでの入手に努めていき、収集した社会的ネットワークの全容について、包括的な理解を深める年度とすることを企図している。
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次年度使用額が生じた理由 |
3月のベトナム・ハノイ出張が中止となり、その分の調査旅費およびインタビュースクリプトのテープ起こしの費用が次年度使用額として生じた。次年度使用額の使用計画として、状況を見ながら、できれば再渡航を検討しているものの、状況が改善しない場合は、既に収集したデータの分析に対してさらに費用の伴う分析への執行などの支出を予定している。
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